2024/03/15 シルクと文化
養蚕業の発達と蚕神信仰
江戸時代以前は生糸は輸入に頼っていましたが、江戸時代以降は絹の国内需要が増えたため、輸入による金銀の流出を防ぐために幕府は生糸の輸入を制限して、国内の養蚕を推奨するようになりました。
養蚕業は畿内中心から、関東、東北地方に拡大し、この地方の農家では養蚕が短期間で大きな収入を得られる生業で、その成否が一家の盛衰に多大な影響を及ぼすようになりました。
そして絹織物も西陣だけでなく桐生織も流通するようになっていきます。
このころ知識や技術の向上のため、養蚕のための手引書が蚕種作りを商う蚕種家によって多く書かれたようです。
とはいえ、蚕は繊細な生き物で、蚕自身の成育が難しいことや、餌となる桑の生育、蚕の天敵であるネズミなどの食害など様々な問題に立ち向かうため、精神的な支えとして信仰の存在がありました。
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