2026/02/19 活動報告
パリ、アントワープ出張報告
フランス・パリおよびベルギー・アントワープへ出張に行ってきました。
主な目的は、世界的なファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」の視察、百貨店・セレクトショップにおける市場調査、ならびにテキスタイルやファッションに関連する美術館・博物館の鑑賞です。
今シーズンのテーマは「OPEN」。
現代の複雑な社会情勢を背景に、喜びや多様性、他者への寛容さ、そして新たな物語(ナラティブ)を受け入れる姿勢が、これからの創造性を育む鍵であると提起されていました。メインテーマ「Territories of Savoir-faire」では、フランス・ポルトガル・日本の伝統技術と革新性に焦点が当てられていました。
特に日本は「Nature Minded(自然志向)」を掲げ、緻密な織りや伝統的な染色技術とバイオテクノロジーの融合、着物のアップサイクルなど、独自のサステナブルな取り組みが高く注目を集めていました。
また、AIによる分析と直感的な感性を融合させた、明るくエネルギッシュなカラーパレットが提案され、未来志向のデザインアプローチが印象的でした。さらに、伝統技術と最新設備の融合も進んでおり、シルク素材においてはキュプラなどの再生繊維やポリエステルとの交織といった技術革新が見られました。これにより、創造性と環境意識の共存というテーマが強く打ち出された展示内容となっていました。
〇パリ、アントワープ市場調査〇
パリ、アントワープ共にハイブランドを中心にシルクの使用が目立ちました。仕上げ加工を施さず、素材本来の風合いを活かしたレギュラー仕上げが主流となっており、シンプルながらも上質な質感が際立っていました。
シルクを使用していた主なブランドには、SETHU、EGG、ROHE、Dries Van Noten、Dior、TOTEME、ETRO、Chloé、The Rowなどです。使用されていた素材はツイル、羽二重、シフォン、オーガンジー、サテン、デシンと多岐にわたり、なかでもChloéのシルク楊柳ドレスは、繊細な表情と軽やかな動きが印象的でした。
【Le Bon Marche】
老舗百貨店として、ETRO、Chloéをはじめとする高級ブランドを多数取り扱っています。
【DOVERSTREETMARKET】
川久保玲氏のセレクトショップでは、コム デ ギャルソン関連ブランドをはじめ、感度の高い新進ブランドも多数展開されていました。
中でも印象的だったのは、イタリア発のSETCHUと、EGGというブランドが新鮮でした。EGGは、タッサーシルクのような風合いを持つ生地を使用しており、上質さと新鮮さを兼ね備えたコレクションが目を引きました。
〇美術館/展示会鑑賞〇
【LA GALERIE DIOR】
ディオールの歴史がドレスとともにわかりやすく展示され、シャンタンやサテン、オーガンジー、タフタなど上質なシルク素材が印象的でした。洗練された展示演出により、最後まで心躍る時間を過ごすことができました。
【Fondation Cartier】
パリにある現代アートの殿堂。写真・立体・映像・絵画など、多様な表現が一堂に会し、ジャンルを超えたアートの魅力を体感できる空間でした。
【装飾美術館】
ルーヴル宮の北翼に位置する装飾美術館は、中世から現代に至る家具、ジュエリー、デザイン、ファッションの膨大なコレクションを誇る美術館です。
今回はアール・デコ100周年展が開催されており、時代を超えて愛される装飾美の魅力を存分に堪能できる、見応えある展示でした。
時代を超えて受け継がれる職人技とデザインの豊かさに触れる、貴重な体験となりました。
【アントワープモード美術館】
ベルギー・アントワープのMoMu(モード美術館)は、ベルギー・ファッションの歴史や刺繍、テキスタイル技術を深く体感できる施設でした。
伝統技術と現代的なデザインの融合から多くの学びがあり、今後の企画や製品づくりに活かせる具体的なヒントを得られました。
今回の出張を通じて、最新の素材やトレンド情報の収集、美術を通じた感性の深化、現地市場における消費者ニーズの変化、そしてデザインにおける文化的背景の重要性など、多くの気づきを得ることができました。
これらの学びをチーム内で共有し、今後の業務において、お客様へのより深みのあるご提案や価値あるものづくりに活かしてまいりたいと考えております。
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