2023/06/20 活動報告
ITMA(国際繊維機械展示会)を視察しました
世界で最も影響力のある繊維および衣料技術の展示会ITMA(国際繊維機械展示会)を視察しました。ITMAは4年に1度の展示会で2023年はイタリアのミラノで開催されました。繊維および衣料技術の世界のトップメーカーが<先端材料>、<自動化とデジタルの未来>、<革新的なテクノロジー>、<持続可能性と循環性>の4つの柱で改革を発表する場となっています。
当社は自社工場を持っているわけではなく、直接的に機械を購入することはありませんが、当社が取引している工場がどんな機械を選ぶのか、また繊維業界の物づくりが今後どんな方向に向かっていくのかという視点で、展示会場を視察しました。
今回のテーマは「未来を形にする」です。
サスティナブルが前回以上に大きなテーマとなっており、各企業が共通して「水を使わない」「空気を汚さない」「電気化」「省エネ」といった具体的な目標を掲げていました。
特にテキスタイル向けのインクジェットプリンターについては、前回までは各社が高速機の開発で生産のスピードを競っていましたが、今回はサスティナブルを前面に出すところが多く、顔料プリントに関しては水をほとんど使わない顔料プリントや前処理不要の顔料インクなど、昇華転写プリントについては水を使わないドライプロセスとして注目されていました。
視察を終え、環境負荷ゼロの生産は難しくとも、世界の動きに合わせ繊維業界が向かう方向性をはっきりと見ることができました。そして、自社工場を持たない当社にできるサスティナブルな社会実現のための取組とは何かを考えた時、同興商事としては、より環境負荷の少ない生産方法、またそれを選んでいる工場との取引を選択していくことではないかと考えます。
今後もこういった繊維業界の動きに注目し、私たちが暮らす地球環境を守り、末永く生き続けられる社会の実現のためにより良い選択肢を選んでいきたいと思います。
2023/03/24 活動報告
日本で企画したシルクを海外へ
コロナから3年が過ぎ、日本も世界に遅れつつも日常を取り戻す中で、当社も3年ぶりに海外へ出かけました。
バングラデシュでは日本向けのシルクに関心が高く、今回の出張で私たちが日本で企画したシルクをバングラデシュのお客様に紹介する機会を得ることができました。
今後もチャンスがあれば同興商事のシルクの良さを海外のコンバーターさんに知っていただき、日本企画のシルクのクオリティの高さを海外の消費者にも発信してきたいと考えています。
2023/03/10 活動報告
脱炭素社会実現への取り組み
シルクは商品の生産や廃棄時に二酸化炭素を大気中に排出しますが、蚕の餌となる桑の木の成長過程において、光合成により二酸化炭素を吸収します。
二酸化炭素の排出と吸収により相殺されると考えると、全体で見た際の二酸化炭素排出量は大きく削減されます。
ただし、生産過程だけではなく輸送による二酸化炭素の排出を考えると排出量が全く増えないというわけではありません。
輸送による二酸化炭素の排出量を考えた時、より排出量の少ない輸送手段を使うことも私たちにできるサスティナビリティへの取り組みだと考えています。
当社は従来、輸送のスピードや利便性を考え、物流を航空輸送に頼って参りましたが、一般的には航空輸送は二酸化炭素の排出量が海上輸送の4倍以上と言われており、できる限り海上輸送に切り替えてまいりました。
生地の輸入に関しては2018年~2022年の5年間で、航空輸送を全体の輸入重量の65%から18%に削減致しました。
今後は、航空輸送においても燃費の良い機体の使用や二酸化炭素を大幅に削減できるバイオ燃料の使用など脱炭素社会に向けた取り組みが進んでゆくことが期待されています。
同興商事は脱炭素社会実現に向けより良い方法を選択し、可能な取り組みを引き続き行います。
2022/06/27 活動報告
国内最大の生糸の製糸工場『碓氷製糸株式会社さん』を訪ねました
生糸製造過程、国産繭、生糸の現状確認のため、群馬県安中市にある碓氷製糸株式会社さんの工場見学に参加しました。
富岡製糸場さんが1872年(明治5年)日本で最初の官営模範工場が誕生して以来、明治大正を通じて日本各地に様々な製糸工場が誕生し、ピーク時の1951年には全国に288件あった製糸場が現在はわずか4社。その中で大型機械製糸場で国内製糸の6割を生産するのが碓氷製糸さんです。
群馬県碓氷近隣農家が出荷する繭のみを加工し続けてきましたが全国的な養蚕農家の減少、他の製糸工場の閉鎖を受けた他県からの繭を受け付けているそうです。
現在の全国養蚕農家が約200戸弱、一戸当たりの収繭量が350㎏として全国年間繭生産量約70t、生糸生産量約10tと予測されます。
日本の蚕糸業と絹文化の伝統を受け継ぎ日本中から届く繭がどのようにして生糸となるかその工程を8つに分けてご紹介します。
①繭荷受
②繭乾燥 (蛾の発生とカビを防ぎ長期保存するため熱風で5~6時間乾燥する)
③貯繭(乾燥した繭を蚕品種毎、蚕期毎に分けて繭倉庫に保管)

⑦ 揚返し(小枠に巻き取られた生糸を外周150㎝の大枠に巻き返す巻き取った生糸は、最初と最後の糸口がわかるよう一緒に結ぶ)
2022/04/15 活動報告
インターンシップを受入れました
京都芸術デザイン専門学校さんからインターンシップを受入れました。
社会経験や就職体験を通して将来のキャリアプランを考えるきっかけを作り、就職活動に対する目標意識や意欲の向上を目指すという学校側の趣旨に賛同して、今回の受入れを決めました。
同興商事としても次世代を担う新卒の採用が大きな命題となっていて、インターンシップが若い世代にシルクや繊維業界を知ってもらうきっかけになればと思っていたところ、シルクに興味を持ってくれた生徒さんが一人応募してくれました。
まずは実際にシルクに触れる機会を作ることと、そして2週間という短い期間の中で何か達成感を感じてもらえたらと考え、リストアップされたニューヨークの代理店向けのハンガーサンプルを準備するというお仕事をしていただきました。具体的にはリストの生地を棚からピックアップし、アイロンをあててハンガーを作成するという作業です。
作業の目的を理解し、真面目に効率よく作業をしていただき、期間内に89点全てのハンガーを揃えてもらいました。自分が作ったハンガーサンプルを、ニューヨークのお客様が手に取って注文をしてくれる。それを想像しながら作業してくれたら、仕事の楽しさが少しわかってもらえたのではないかなと感じます。
若い方がシルクに触れる機会は少ないと思いますが、今回生徒さんは実際に毎日手に取ってみて、広げたりカットしたりする中で、シルクの質感がよくわかり、織り方や加工による風合いの変化で色々なものに使われる可能性があることなどが実感できたようです。
また、自社ブランドの会議にも参加し、企画の進め方なども実際に見ることができ、良い経験になったようです。
同興商事のように一つのものに特化した商品を扱う仕事は、他社にないものを提供できる強みがある代わりに、スタッフは専門的な知識やスキル求められます。今回のインターンを通じて、よりよいモノづくりをするためには、自分が何をしたいか、ゴールを決めて行動することで、結果自身のスキルを高めることにつながるという社会人として必要なことも学べたようです。
また、京都本社はスタッフが全員40代以上で、これまで中途採用の方を受入れた経験はありますが、社会経験のない真っ新な若い生徒さんにもわかるように説明して作業をしてもらうことは、私たちスタッフにとっても少ない経験で、とても勉強になりました。
今回のインターンシップは生徒さんにとっても、当社のスタッフにとっても有意義なものとなりました。またご縁があればインターンシップの生徒さんに来ていただく機会を作り、これからもシルクや繊維業界のことを少しでも知ってもらう場を提供できたらと思います。
2021/07/09 活動報告
ワークショップ『繭から糸を挽く』に参加しました
京都のHONDA SILK WORKSさんにて開催されましたワークショップ『繭から糸を挽く』に社外研修として参加しました。
2年目の若手社員が、これまで映像で見たり先輩や上司から聞いたりしたことを実際に体験することで、シルクのすばらしさやシルクを扱う仕事の楽しさを再認識することができました。
研修参加者がとてもわかりやすくまとめてくれましたので、ご紹介致します。
①繭を茹でてセリシン(蚕が糸を吐くときに出される糊)を溶かす
②座繰り機(繭から糸を挽く機械)を使い糸を挽く
③木枠に巻き取った絹糸をかせあげ機でかせ(一定の大きさの束)にする
④かせにした糸の束を水で洗い、混合物を取り除く
2021/06/18 活動報告
はぎれ販売を始めました
弊社では生産する際に出来上がった生地を確かめる為に毎度、工場より生地の反端を取り寄せ品質のチェックを行います。
この反端の有効利用方法としてビーカーをとったりお客様に提案するサンプル作成に利用してきました。
新たな取り組みとしてさらなる利用価値を求めシルクの反端を必要としてもらえる方へ格安でのはぎれ販売を始めることに致しました。
今後も「作る責任・使う責任」実現の為に無駄のない生産活動を行っていきます。
2021/06/07 活動報告
Premium Textile Japan 2022 S/S展に出展しました
5月25日~26日に東京国際フォーラムで”PremiumTextileJapan 2022Spring/Summer”が開催されました。
こちらは繊維業界の展示会で、生地やレース、製品、染色、プリントなど多岐に渡り様々な会社が出展しています。
弊社も出展し、2日間多くの方がブースにお立ち寄りくださいました。
今回出展した生地で特に好評だったのが、初出展の「WILD SILK」・「ノイルコットン」・「ノイル麻」、定番の「120g/㎡TOP天竺」などです。
WILD SILKは野蚕と呼ばれる屋外(野生)で育った蚕から取れた絹糸です。
家蚕(室内で飼われている蚕)の糸が細く光沢があるのに対し、野蚕糸は太くてシャリ感があるので、見た目も異なります。
ノイルコットン・ノイル麻は、シルクノイル糸×コットン、シルクノイル糸×麻で織りあげた生地です。
S100%のノイル生地と比較すると、ハリ感やザラっとした風合いがあります。
定番のTOP天竺は、弊社のECサイトに掲載しているマスクで使用している生地です。
マスクやインナーアイテム、パジャマなど幅広く使用できます。
今回の展示会は緊急事態宣言下での開催となりましたが、主催者の一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構様とご来場のお客様のご協力のもと、無事に2日間開催でき感謝しています。
今後も多くの方にシルクを手に取っていただけるよう、ニーズに合わせた提案をしていきます。
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